【織太】宿夜話

・久しぶりに書いたのでお手柔らかに
・織太に見えないかもしれないが織太です
・独自解釈が酷い
・後書き付き

OK?

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止まぬ宿雨は気疎いものだ。

眠れぬ夜はよくある。
元々ぐっすり寝られるような人間ではなかったし、その上無駄にキレているせいか何故か脳が思考を辞めない、故に睡眠が取れる日は運が良き日とも言える。それほどだ。

そんな時間を持ち余している時はよく考え事をする。
ますます寝られなくなるが仕方ないことだ。

一番考えているのはやはり彼奴のこと、織田作之助という男のこと。
彼奴と私の人間性は相反しているのにも関わらず、織田作は私を理解しようと、助けようと同情をしてくれた。
とんだ優しい男だ。

相反というのも、彼は生きていきたいと思っている、私は自殺願望を持っている、だから相反しているという話ではない。
彼奴が生きたいのは間違っていない。
織田作には夢があり、責任があり、未来への希望もある、だから生きていなければいけない筈だった。

私はというと、よくよく考えたら本気で死にたいと思っている人間ではあるまい。
かと言って生きたいわけでもない。
本物の死にたい人間は美しい女性との心中だの、楽な死に方だの、そないなくだらぬことなんぞは気にしない筈だ。
真面目に、というのは可笑しいがそれほど死を迎えたければ一瞬のことだ。
勇気も覚悟も悲壮な理由もなく、ただ空っぽな、何も持っていない私には到底想像出来ない気持ちでしょう。

私は死にたいわけではなく、生きていくのに必要な「わけ」というものがないだけなのだ。
それが私と織田作の違いだ。
こんな私は生から逃げたいだけの臆病者だ。

私が生きていて何になる、私が死んだとしても何も変わらない、ならば辛いことも捨て去りたい。
というただのエゴで。
嘗て、猶予したこともあるが、織田作亡き今は何一つわけ残っていない。
どう強請って、彼奴は戻ってこない。

これからも一人生死を彷徨い、いずれ死ぬ時を待つだけの人生を過ごしていく選択肢しか与えられていない我は今、この真夜中の雨の音に耳を傾けながら目を瞑ったのだった。


後書き

どうも。ROM専になりつつある知笑です。

なぜ久しぶりに書いたのかっていうと映画の人間失格観たんです。
まあひどい。俳優さんの演技がダメなわけじゃないけれども芸術性だけで作られていてめちゃくちゃでワケわからなかったんです。キャラクターの心理状態などなんの説明もなく何やってるのか全然理解できませんでした。違うだろーって思いました。太宰先生の作品は芸術性もありながらもっと感情や関係性があるわ!って。名作の人間失格はこんな薄っぺらいものじゃありませんわ。
まあひどかったんです。
そんなわけで殴り書きました。
映画の中の中原中也がちょっと織田作っぽかったと思いましてね、その「残念だなぁー、もうすぐで死ぬけどもうちょっと生きたかったなぁ笑」って感じです。(説明が下手くそ)
主人公もなんとなく死のうかなーっていうテンションですし、強烈に死にたい気持ちもなくただちょい生きたくないから死んでこよっかなーって。
この映画はマジで脚本かダメでした。でも太宰先生は素晴らしいです。はい。

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